新ホテル ABC建設
オリーブレポート タイル講座
オリーブレポート2018.10.1 タイル講座
ホテルABCの外装で採用するタイル。2回に渡り工場見学のレポートをしましたが、そのタイルの名称【乾式】と【湿式】が逆じゃないか?とのご指摘が読者からありました。本日は少し専門的な解説をしますね。
全国タイル業協会・タイル手帳より解説
3階から上の高層部【乾式タイル】とは、
【乾式製法】のタイルの略称です。
2階までの低層部は【湿式タイル】とは、
【湿式製法】のタイルの略称です。
2つのタイルは製法、そして工法も異なります。では、それぞれ解説していきましょう。
まず【乾式製法】の磁器タイル
粉末にした原料を高圧プレスで成形します。
裏面には『裏あし』がついています。
外壁材には接着剤で貼りつけます。この貼り方を【湿式工法】と呼びます。
【乾式】製法のタイルを【湿式】工法で貼るの???
次に【湿式製法】の炻器タイル
練った土を押し出して成形します。(その後、釘で筋をつけました)
裏面の『裏あし』の形状が異なります。
違う角度から見てみましょう。
リブ状の外壁材に引っ掛けて固定します。
炻器(せっき)タイルは重量があるため、このように外壁に引っ掛けた方法を選択しました。もちろん接着剤も併用します。この貼り方を【乾式工法】と呼びます。
【湿式】製法のタイルを【乾式】工法で貼るの???
なんだか、ややこしい講座になりましたが、まとめますと…
磁器タイル
→乾式製法で作り→湿式方法で貼る
炻器タイル
→湿式製法で作り→乾式方法で貼る
やっぱり建築はヤヤコシイ(笑)
ただしこれは、ホテルABCの鉄骨造14階建ての外装タイルとして、どの製法、その工法がベストかを熟考した結果であり、建築の条件が異なれば、製法と工法の組み合わせも異なります。
やっぱり建築はムズカシイ(笑)